注意喚起:スウェーデン治安情勢について
2023年10月13日
【ポイント】
- 8月17日、スウェーデン政府はスウェーデンにおけるテロ脅威レベルを5段階中の4段階目(高い脅威)に引き上げ、治安・公安当局等によるテロ対策を強化しています。引上げ後、具体的なテロは発生していません。
- コーラン焼却集会は、メディアで報じられることが減り、社会的関心は低下しつつあるようにも見えますが、状況の変化で活発化する可能性があります。
- 10月7日以降、イスラエル・パレスチナ情勢が緊迫しています。具体的な脅威情報は公表されていませんが、スウェーデンの治安に対する影響について、注視する必要があります。
- 2022年末頃以降、ギャング・グループ間の抗争及び内部抗争を起因とする銃撃、爆発、放火等が頻繁に発生しています。ギャングやその親族が標的ですが、誤って標的とされた被害者もいます。
- テロ事件や不測の事態に巻き込まれないよう、引き続き、治安や安全対策に関する情報収集に努めつつ、身の回りの安全に一層の注意を払ってください。
【本文】
- 8月17日、スウェーデン政府はスウェーデンにおけるテロ脅威レベルを5段階中の3段階目(増大した脅威)から4段階目(高い脅威)に引き上げました。これは、テロ攻撃の意図と能力を有した活動家が攻撃を実行に移すことについて「高い脅威」があることを意味します。テロ脅威レベルの引上げを受け、治安・公安当局等は、テロ対策のための取組・連携を強化しています。引上げ後、現時点までにスウェーデンにおいて具体的なテロは発生していません。
- テロ脅威レベルの引上げの端緒となったコーラン焼却集会は、次第にメディアで報じられることが減り、社会的関心は低下しつつあるようにも見えます。しかし、例えば、マルメ市においてはコーラン焼却集会後の9月3日から同月4日にかけて暴動化するなど、周囲の治安に具体的な影響が生じた事例があります。また、集会実施者の個人的な事情や国際社会での出来事等に影響を受けて、コーラン焼却集会を巡る状況が活発化する可能性があります。
- 国際社会での変化として、10月7日以降、イスラエル・パレスチナ情勢が緊迫化しています。治安・公安当局から、具体的な脅威情報は公表されていませんが、スウェーデンの治安に対する影響(例:イスラエル、パレスチナ関係の組織、宗教・文化施設における抗議活動やこれら施設を標的とする脅威等)について、注視する必要があります。
- 2022年末頃以降、スウェーデン国内では違法薬物取引を巡るギャング・グループ間の抗争を起因とする銃撃、爆発、放火等が頻繁に発生しており、最近では、これにギャング・グループ内の内部抗争を起因とする事案も加わっています。ギャングやギャングの親族が標的であるため、多くの場合は、これらの住宅やその近くの地域で被害が発生していますが、誤認や巻き込まれるなどして一般の人が被害に遭った事件も発生しています。
【各地における銃撃・爆発の発生状況】(PDFファイルで地図が開きます。)
- 上記を踏まえ、スウェーデンに渡航中・渡航予定の方や在留邦人の皆様におかれましては、当面の間、テロ事件や不測の事態に巻き込まれることのないよう、報道等を通じた最新の治安情報の収集に努めてください。特に、テロの標的となりやすい場所(政府(特に軍、警察、治安関係施設)・外交団施設、宗教施設、公共交通機関、観光施設、デパートや市場など不特定多数が集まる場所)を訪れる際には、周囲の状況に一層の注意を払い、不審な状況を察知したら速やかにその場を離れるなど、安全の確保に一層努めてください。
万が一不測の事態に巻き込まれた場合の対応として、以下の点を参考にしてください。
(1)基本対応
ア 爆発、銃撃の音を聞いたら、その場に伏せるなど直ちに低い姿勢をとり頑丈なものの陰に隠れる。 イ 周囲を確認し、可能であれば、銃撃音等から離れるよう、速やかに、低い姿勢を保ちつつ安全なところに退避する。閉鎖空間の場合、出入口に殺到すると将棋倒しなどの二次的な被害に遭うこともあり、注意が必要。 ウ 爆発は複数回発生する可能性があるため、爆発後に様子を見に行かない。 エ 普段と異なる不審な状況を察知したら、安全を確保のうえ、警察に通報する(112番)。 (2)その他
海外渡航前または外出時には万一に備え、家族や友人、職場等に日程や渡航先での連絡先を伝えておくようお願いします。
海外渡航や在留の際に、緊急事態が発生した場合、外務省からは随時情報を提供いたしますので、「たびレジ」登録や在留届の提出をお願いします。
3か月以上滞在する方は、緊急事態に備え必ず在留届を提出してください。
3か月未満の旅行や出張などの際には、「たびレジ」に登録してください。