能化大使のレトビック訪問

令和6年6月21日

能化大使は、6月21日のレトビック(Rättvik)市の夏至祭に招待された機会に、ダーラナ(Dalarna)県を訪問しました。

この地方は、なだらかな丘と森、そして湖が広がる美しい景色で知られています。その中でも、レトビックは、3.8億年前、隕石が落下した衝撃で形成されたシリアン(Siljan)湖の東岸にあります。ストックホルムから北西に240キロ、車で3時間ほどです。

最初にダーラナ県知事(Helena Höij氏)を訪問し、レトビック市長(Ulrica Momqvist氏)、隣町のレクサンド(Leksand)市長(Sebastian Larsson氏)とともに意見交換しました。

ダーラナ県には、滋賀県東近江市がレトビック市と、北海道当別町がレクサンド市と姉妹都市の関係にあります。経済面では、トーモクヒュース(Tomoku Hus)社がスウェーデン式家屋の部材を日本に輸出し、ルドヴィカ(Ludvika)には、世界最大のパワーグリッド企業である日立エナジー社の工場があります。このような経済、文化、さらには観光面などの交流が意義深いことで意見が一致しました。

続いて、レトビックで、市長、市担当者、夏至祭主催者(レトビック郷土協会Rättviks Hembygdsförening)、音楽家、手工芸家の方々、さらには、長年現地で姉妹都市交流に尽力されてきた八幡敬子さんから、様々な施設の紹介やお話を伺いました。

石灰岩の採掘地を改造した野外音楽場ダルハーラ(Dalhalla)では、ほら貝を連想させる角笛や歌声を実演いただき、素晴らしい音響効果を体感することができました。自然博物館では、隕石の衝撃で地表が陥没して地層が垂直になった地域、文化会館では、音楽や衣装を含む文化伝承について学びました。また、東近江市誕生前の旧湖東(ことう)町から寄贈された鐘も展示されていました。手工芸館「レトビック・ヘムスロイド(Rättviks Hemslöjd)」では、東近江市の「ことうヘムスロイド村」を連想することができました。ヘムスロイドとは、スウェーデン語で「手工芸」という意味です。

21日の夜には、約3000人が参加したレトビックの夏至祭に参加しました。能化大使から、日本との交流や、夏の風物詩である盆踊りなどをスウェーデン語で紹介し、心温まる拍手喝采を受けました。その後、多くの人たちが、20mもある緑で飾られた「メイポール」の周りを、手をつなぎ、音楽に合わせて踊りました。能化大使もその輪のなかに入り、皆さんと一緒に踊りました。

このような美しい伝統や文化、風景をもつ人たちが、さらに日本に高い関心を持っていただけるよう、日本大使館としても、様々な交流を応援していくことを改めて認識する機会となりました。