アルツハイマー若手研究者シルヴィア王妃陛下賞授賞式の開催
10月15日、在スウェーデン日本国大使館は、シルヴィア王妃陛下ご臨席のもと、大使公邸において、「アルツハイマー若手研究者シルヴィア王妃陛下賞」の授賞式及び記念レセプションをスウェーデン・アルツハイマー財団と合同で開催しました。
授賞式及び記念レセプションには、アンナ・テニエ高齢者・社会保険大臣を含む政府高官をはじめ、カロリンスカ研究所でアルツハイマー研究に取り組む研究者、アルツハイマー病の当事者、篤志家など多くの方々が出席しました。

Photo: Yanan Li
水越大使は、歓迎の挨拶において、アルツハイマー病を含む認知症対策は、高齢化が進む日本とスウェーデンで共通の課題であること、2018年に日本で開催されたDementia ForumXにシルヴィア王妃陛下が参加されたことや、過去に天皇皇后両陛下(当時)及び高円宮妃久子殿下が「シルヴィアホーム」(シルヴィア王妃陛下のイニシアチブで設立された認知症ケアの専門教育機関)を訪問されるなど、これまでも両国が認知症対策に関連する協力に関して皇室・王室レベルで関与されてきたこと、そして、アルツハイマー研究に励む若手研究者の表彰は、他の研究者の刺激となるのみならず、若い世代に認知症対策の重要性について知ってもらうことにつながることなどを述べました。

Photo: Yanan Li
続いて、リーセロット・ヤンソン スウェーデン・アルツハイマー財団事務局長の挨拶、パル・ニルソン カロリンスカ研究所准教授による日本とカロリンスカ研究所との学術交流の紹介、岩坪威 国立精神・神経医療研究センター神経研究所所長(兼東京大学特任教授)による日本におけるアルツハイマー研究の最前線の状況の紹介、グニッラ・オスヴァルド バイオアークティック社CEOによるアルツハイマー病治療薬の研究開発の紹介が行われました。アルツハイマー財団による岩坪所長の招へいは、全日本空輸株式会社(ANA)による東京-ストックホルム間の直行便航空券の提供により実現しました。

その後、シルヴィア王妃陛下より、受賞者のライア・モントリウ・ガヤ ヨーテボリ大学助教授への表彰状の伝達、花束の贈呈が行われ、お祝いのお言葉がありました。祝辞では、科学のブレークスルーはとても重要で、発見を重ねていくことによりアルツハイマー病の撲滅に一歩ずつ近づいていけることを強調されました。また、日本で印象に残った出来事として、2016年に国王陛下と一緒に鎌倉の認知症ケアホームを訪問した際、入居者の方が誇りをもって活動されていたこと、そして、東京にある認知症患者が働くレストランでは、注文に間違いが起こっても気にしないという環境で、利用者が認知症の従業員の方を尊重し、認知症の従業員がいきいきと働いていたことを挙げられました。

Photo: Yanan Li
受賞者のスピーチの後、参加者に日本酒や、公邸シェフによる寿司等が振る舞われました。